名残り

カテゴリー │茶道具解説

名残りやつれ風炉です。
鉄風炉の上部の欠けたもので、欠風炉とも言ったりします。

古い物で、自然に壊れたものもありますけど、これは侘びた景色を出すためにこのように作られています。
風炉の時期が10月いっぱいで終りになります。

そして、11月から炉になり半年後の5月まで風炉は使いません。
その最後の時期を名残り惜しんで、この風炉を取り合わせて使います。
11月に口切りした茶が一年経って、少なくなったことも名残り惜しむ意に含まれてる様です。

このやつれ風炉の中に底瓦、五徳を入れて釜をかけます。
灰は、藁灰を入れます。
藁灰は、太めで芯が堅いしっかりした藁を塩水に浸し、水をきって半乾きの状態を焙烙に並べて素焼きしたものです。
名残り
その藁灰を風炉の中へ一本づつピンセットで並べて行きます。
なかなか、手間のかかる作業なので、客にとっては亭主の思いを感じるものです。
しかも、10月は中置きといって火の気が恋しくなってきた時期なので、客の方へ風炉を近付けるといった心入れも感じる事ができます。

華やかな道具を使ったり、寂しい侘びた道具も使う茶道。
その道具に込められた亭主の心を知る。

この道は奥深く、そして、面白いと思います。


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